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トリスタンとベイオウルフ

篦岳(ののだけ)の山寺

石巻出張の途中「のの岳」というちょっと間抜けな音感の霊峰のふもとを通る。
標高232mというから丘みたいなもんだけど、周りが田んぼなので比較的高い山に見える。

そこの頂上付近に篦峯寺(こんぽうじ)という天台宗の山寺があるのだが、そこの本尊「十一面観世音菩薩」が秘仏で33年に一度開帳されるらしい。今年は当たり年らしく、一般公開していると新聞折り込みチラシが入っていたので、興味半分で見に行くことにした。
篦岳(ののだけ)の山寺_c0014117_21162265.jpg
急な細い山道で、非力なマイカーを励ましながら登ること5分。
多分駐車場だろうな?な空間に車を止める。
なんだか他に1台しか停まっていないんだが、まぁ田舎の寺なら縁日でもこんなものだろう(もちろん屋台なんて気の利いたものは全くない)。

これまた木々に囲まれた急な石階段を登ること数分。
運動不足の身にはちょいとばかしキツく、山門にたどりついた時は息切れしてしまった。
山門の仁王像が結構間抜け面なのだが、写真をとってくるの忘れちゃったよ。

ちょいとうかつだったのだが、
拝観料1000円に一瞬ひるんでしまった。

せっかく登ってきたのだから、まぁお布施と思えばいいかと1枚渡して名前と住所を記帳する。
すると、案内のチラシとお札を渡された。まさかお札が来るとは思わなかったので、ここでまた一瞬ひるむ。要するに、お札代と思えば高いものでもないかもしれない。

肝心の本尊仏は、本当に小さくてパッと見50cmくらい。厨子の扉を開けた状態で公開されていた。ライトアップしているわけじゃないので、薄暗く細かい造形はよく分からないのだが、たしかに頭上に十面の顔がついているっぽかった。
観世音といえば孔雀王に出てたよなぁ、誰の守護仏だったかは忘れちゃったけど。コミックスは実家にあるから確認も出来ないぜ、なーんてことはもちろん思って見てないです。

厳かな気持ちで、多分今後二度と見る事はないだろうなーと思いながら、堂内は撮影禁止だったので心に刻むがごとく眺めていましたよ。だって他に見るものそんなにないんだもん。
ちょっとお腹を突き出したようなセクシーポーズな立像。いや、セクシーなんて言ったら怒られるか。
指には長い布が巻き付けられていて、それが本堂の外にまで伸びている。つまり布を媒介にして観音様と手をつなぐことが出来るというわけ。
通常公開で他に2体の十一面観音像があるのだけど、普段は厨子を閉じた前にこの仏像を置いているとのことだった。
ちなみに、秘仏の方は650年前に作られたものらしい。意外と古いな。

篦岳(ののだけ)の山寺_c0014117_21164032.jpg

ひとしきり拝観し、外に出たら鐘をついてもいいそうなので一発ついてきた。
来たときは人はまばらだったのに、かがり火が焚かれなにやら人が集まっている。
何が始まるんだろう?と様子を見てみたら、どうやらご当地民謡「秋の山唄」の全国大会(って多分県大会と同義だと思うが)の優勝者が唄を奉納する儀式が始まるらしい。
せっかくだから聞いて行くか、と全くの部外者なのにそのまま混ざっちゃったよ。
優勝者の多賀城市のおじちゃん(地元の人じゃない)はそれはそれはいい声をしていた。カラオケをしたら民謡調になってしまわないのかな?と余計な心配までしちゃった。
そのあとなめこ汁が振る舞われたので、どさくさに紛れてもらって食べた。これがまたおいしくてすっかり身体が暖まったよ。

今回は一人だったのだが、同じく一人で来たという地元の女性(多分私と同世代っぽい)と意気投合して軽くおしゃべりをした。
地元にいてもなかなか来ないですよー、十数年ぶりかなーって話していた。
ワタシなんか完全に観光客気分だったのに。例えて言えば、海外旅行でちょうど教会のミサに立ち会ってしまったというのに感じが似てるかな。

こういうコミュニティーを見ると、地元に根づく人生っていうのもいいもんだなーと思わずにはいられなかったですよ。
かといって、この地に一生住むか?と言われたら「考えさせてくれ」ってなるだろうけど。
by taba-aki | 2008-11-09 22:20 | お出かけ