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トリスタンとベイオウルフ

気の毒な豚の話

豚舎火災、5000匹焼死=北海道

北海道上富良野町の「かみふらの牧場」すべての豚舎が全焼し、豚約5000匹が焼死したそうな。
ワタシが仕事で出入りしている、と畜場の1日豚処理数が平均1000頭なので、約1週間分の豚が死んだことになる。
養豚業者は大規模経営の所が多いから、火事等おこればひとたまりもあるまい。
きっと出荷間近の肥育豚や、出産間近の繁殖豚もいただろうに。
いやはや、死んだ豚も1億円の利益+豚舎を灰に帰した牧場も気の毒としかいいようがない。


リンク先記事のコメントには、売ってしまえとか食べてしまえとか色々書き込まれているけれど、残念ながら屠殺前に死んだ豚はもはや商品にならない。

豚を食肉として流通させる過程には、色々と法律が絡んでおりまして。
まず、農家だろうが肉屋だろうが自分勝手に食肉目的で豚を殺して肉にするのは禁止。
必ずと畜場に運んで、お金を払って解体処理と食肉検査を受けなければなりません。
さらに、と畜場は健康で「生きた」豚だけしか処理しません。
どうせ殺してしまうんだから、その前に死んだ豚だって同じじゃないか。だったら死んだものも肉にして有効活用すべきと思う人がいるかもしれないけど、無理。
それを許してしまったら、市場に品質が劣悪な肉が出回る可能性が大きくなり、ひいてはワタシたちの健康問題にもつながってくる。


というわけでもったいないとは思うけれど、今回火事で焼死した豚は肉になれず産業廃棄物として処分するしかない。
処分するにも専門業者に莫大な料金を払わないといけないわけで、5000頭もの豚を廃棄する羽目になったこの牧場がますます気の毒になってくる。
ただでさえ、豚肉の市場価格が低迷しているというのに。



記事のコメントを読んで、色々思ったことをいくつか。
・豚は400kgも体重はない。出荷サイズは100kgだし繁殖豚でも200kg。それだと少し小さめの牛サイズだ。
・豚舎暖房用ヒーターのトラブルだろ、大雪が降っていようが関係ないと思う。
・極寒の北海道で養豚しなくても…ごもっとも。その証拠に北海道の豚生産量は意外と少ない。東京都でも養豚農家がいるのだから、食材王国北海道くらい大目にみてやってくれ。
・豚1頭の値段が20000円…1億円を5000頭で割った平均価格やな。実際は格付けにもよるけど、標準的なサイズなら1頭あたり5万円くらいの評価がもらえているはずだから、5000頭のうちたくさんいるであろう子豚なんかは相当評価額を低く算出しているのかも。


すいません。直接コメントに書き込む勇気がないので、自分のブログでつぶやきました(汗
by taba-aki | 2010-01-30 01:06 | 主張